エミール=ルイ・ピコー作、寓意的ブロンズ彫刻の傑作。ピコーは19世紀末を代表する最も象徴的な彫刻家のひとりであり、本作《進歩(Le Progrès)》は、彼の躍動感あふれる叙述的かつ深く象徴的なスタイルを見事に体現しています。
回転台座上の構成には、裸体の青年が描かれています。緊張した肉体と僅かに捻られた上体を持つその姿は、知識へと向かう人類の生命的衝動を体現しています。ほとんどプロメテウス的ともいえるその上昇する姿勢は、科学・学問・人間の知性に対するその時代の絶対的な信頼を表しています。青年は地球儀に寄り添い、右手にコンパスを持ちます。その足元には、科学と産業の力を象徴する道具類が配されています。
台座には、次の言葉を刻んだプレートが飾られています。「科学の子よ、彼は永遠に上昇し続ける人類の進化へと人を導く。」この言葉は、努力・明晰さ・向上を称える銘をブロンズ作品にしばしば添えた作家の精神を、見事に言い表しています。作家のサインはテラス部分に見られます。回転台座の正面には「Le Progrès par E. Picault」と記されたカルトゥーシュが配されています。
英雄的人物像と道徳的寓意の巨匠ピコーの芸術が、人類の進歩の気概と崇高さを鮮やかに表現した、力強くカリスマ的な大型ブロンズ彫刻です。